性同一性障害当事者のホルモン問題

ホルモン補充療法について

更年期障害などでも性ホルモンを注射や服薬で補う方法があるが、性同一性障害の場合、肉体的な性を望みの性別の特徴に近づけるためや、手術で生殖機能を失った後で身体のバランスを保つためにホルモン補充療法が行われる。

性別適合手術を終えた人は性ホルモンが出ないので、更年期症状をはじめ身体のシステムに様々な支障が生じる恐れがあるのでホルモン補充は必須。

個人差があるが、2~4週間ごとに筋肉注射を受ける。塗り薬や飲み薬を使っている人もいる。

場所と時間の問題

お尻や肩に打つのが定番

性同一性障害のホルモン療法に対応している医療機関が少なく、通院のスケジューリングは悩みの種の一つかもしれない。

職場に公表していない人であれば、定期的に医療機関にかかる理由を聞かれることもあるだろうし、土日休みの企業に勤めている場合は平日に時間がとりにくい。往復に数時間かけて通院している人もいる。

薬剤の持続が3~6カ月と長い薬(ネビド―)も普及してきたが、保険適用のエナルモン(1,000円前後)と比べると3万円前後と高額である。

健康的負担

注射で薬を入れるということは、カラダによくも悪くも影響する。

やらなくて済むものはやらないほうがいいのは確かだけど手術を終えた当事者はそうもいかず、自分でホルモンを作り出せないので外部に依存することになる。

リスクを背負っても生まれ持った肉体の性を受け入れることができなくて、あえて不自然な方法を選んだのが私を含めた性同一性障害の人々。

自分の健康状態が外部に左右されるというのは恐ろしいこと(人工呼吸器や透析患者もだよね)で、東日本大震災や工場のトラブルによって何度かホルモン薬剤不足になったことがあるが、そういった影響から避けられない。

また、性同一性障害は表に出てからの歴史が浅いため、高齢になったときの症例のデータがないので今後のことがわからない。

自分の身体が今後どんなふうに影響していくのか興味深い。

ホルモン療法、自分の体感

ホルモン療法を始めておよそ16年。約4年前からエナルモンからネビド―に変えた。

エナルモン

  • 注射翌日の身体が重い、眠気
  • ホルモン切れの感覚が分かりやすい
  • ホルモン値の上下変動が大きいためか、心身共に不安定になりやすい

ネビド―

  • ホルモン値の上下変動が少ないので穏やか
  • 約4カ月に1回でいいので注射のタイミングを忘れる
  • エナルモンに比べ2倍の量が入るため痛い

私がネビドーにしたのは、毎回通院にかかる時間がもったいないと感じたから。

個人事業主なので時間の使い方は自由だけど、ホルモン値の波の激しさが自律神経の乱れともどうやらリンクしていたので、ネビド―のほうが利点が大きいのではと判断した。

結果、体調の波がなくなり、時間も注射のスケジュールをほとんど気にする必要がなくなって普通の人と同じような生活を送れている。

残念なポイントは、エナルモンならサイクリングがてら通院できたけどネビド―の直後は座るのもちょっとキツイので自転車は向かない。

エナルモンの4倍量を入れるので内圧でお尻がはち切れそうになるから(笑)

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